東西うどん食べ比べ
関西と関東とで異なる文化は、たくさんあると思う。例えば、スーパーやコンビニへ行くと何気なく売ってるカップうどん。しかし、これも所変れば人の好みも変ると言う事で、同じ商品でも味を変えていると聞く。そこで、調査してみた。
実験用として食われる事になったのは、「マルちゃん」の名前で知られる東洋水産の、赤いきつねうどん。メジャーな商品なので、知っている方は多いと思う。用意したのは2つ。都内某所で買ってきたものと、地元大阪の近所のスーパーで買ってきたものだ。早速食べ比べてみたいところだが、その前に、少々の予備知識を勉強する。
大阪学(新潮文庫、大谷晃一著)と言う本の第三章の表題がずばり、「きつねうどん」なのである。うどん自体の歴史と共に、きつねうどんが大阪生まれ、育ち、親しまれて来た経緯が書かれていて、なかなか面白い。きつねうどんが大阪で愛されてきたのは、安くてうまいから。大阪人が食い物に求めるのは、この二ヶ条と、著者は断言している。
濃口の醤油で煮た油揚げを、うどんに乗せて薄口の出汁をかけるのがきつねうどんの基本となる。この絶妙の組み合わせが、また旨いのだ。そして、アゲは原料が大豆で、安価な割には栄養がある。うどんにはアゲを乗せて出汁をかけるだけなので、早い。店の手間は省けるし、食事の能率化にも繋がるし、まさに合理的な食いものなのだ。
話は元に戻り...
これ以下の写真は、左が大阪・右が東京のペアとなっている。
外観の違いは殆ど無い。当たり前だろうが、製造所コードが違う。また、良く見ると栄養成分表にあるナトリウムの量が、東京の方が0.1g多いのが分かった。
カップの中に入っている粉末出汁。袋の印刷がちょっとだけ違う。また、大阪の方がかつお出汁の香りが少々強い。かつおの香りを強くしすぎるのは、あまり良くない判断だと思う。
お湯を入れて5分経ったところ。出汁の色だが、明らかに東京の方が濃い。それだけでなく、アゲの色までも東京の方が濃いと言う徹底ぶりだ。お味の方だが、出汁もアゲも東京の方が濃い目。それに対し、大阪の方が薄口で、かつおの風味が強調されている感じがする。
しかし、大阪の方は化学調味料的な味(恐らくグルタミン酸塩)が不自然に甘く感じられる。安物の出汁の場合は、薄い方が変な味が目立ってくるのだろうか。その点、東京のお味は濃いが自然に感じられて、美味しい。ここら辺は研究不足であり、関西人が好むであろう、薄口の出汁は日清などの方が自然で美味しい。(こんど東京へ買ってきます)
食った後の比較。よりはっきりと違いが分かるだろう。
実は極端に腹が減っている日を選んだのだが、こんな物を一度に2つ食うとさすがに気持ちが悪い。塩が多いのか、喉が渇く。不健康な食事だった。
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